すらいむがあらわれた

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ポッドキャスト「i-モーリー」日本のラジオ放送と音楽著作権の行方

http://morley.air-nifty.com/movie/2005/06/post_f69b.html
上記のURLでモーリー・ロバートソン氏の津田大介氏(音楽配信メモ)へのインタビューがダウンロードできます。
1時間半もあって長いのですが、とてもおもしろくて、もう3回も聴きました。
日本でなかなか音楽配信が流行らない理由などがいろいろ語られています。
たとえば

  • 日本ではCDの原盤権(著作隣接権)を管理している団体がないため音源利用の許諾が取りにくい。JASRACが管理しているのは著作権のみ。
  • 日本では原盤権の所有者がレコード会社であったり、アーティストの事務所であったりとバラバラ。レコード会社が楽曲を配信したくても事務所が権利を持っていて許可が得られなければ配信できない。
  • アメリカではレコード会社が音楽配信事業を試みたものの全てあきらめてしまっため、他業種が音楽配信に参入するようになった。そこでアップルが参入して大成功した。日本ではレコード会社が音楽配信をやっているため、思い切った価格やシステムを導入しにくい。


本題以外では、インタビューア(モーリー氏?)のP2PソフトやWinnyなどに対する反応が面白い。
グロックスターやkazzaが裁判で無罪になったという話に対して、「コートジボアールに銃を売っているユーゴスラビア人が、戦争をしているのは売った相手でこっちは製造しただけだ」と言っているのと似ていると言ったり、
Winnyのファイルアップロードの仕組みがアルカイダの金の流れみたいだ、とかWinnyを使った違法コピーコンテンツのアップロードが麻薬の流通に似ていると言ったり…

妙にアングラな犯罪に結びつけられているような気がするんだけど、普通の人たち*1の認識ってこんな感じなのだろうか。


ただ、津田大介氏もインタビューのなかで言っていましたが、未許諾のコンテンツのアップロードと麻薬流通とは似ている面もあって、ある国では犯罪ではないけど別の国では犯罪になってしまうという、その国の法律によって違法になるかどうかが決まるものなのです。
コンテンツをアップロードして他の人がダウンロードできる状態にしただけで違法になるのは先進国では日本とオーストラリアだけだそうです。


私が会社に入社した頃、研修の一環として会社の顧問弁護士の先生のお話を聞いたのですが、そのお話の中で
「管理できるようになると法律が生まれる。たとえば、今は空気は無料だけれど、そのうちとても頭の良い人が空気を管理できる仕組みをつくったら空気の所有権が生まれて有料化されるかもしれない」
ということを聞いてなるほどなあと思ったのですが、まさしくコンテンツのコピーに関する問題がそれなのでしょう。

*1:インターネットが仕事or趣味でない人々