遭難フリーター
努力しまくって念願の大企業にはいってバリバリ働くか、進学せず地元の会社に入り10年後が予想できる安定した生活をするか、そのどちらも選ばず、漠然とした夢だけを持って首都圏の工場で住み込みで働き無為に時間をすりつぶす若者のドキュメンタリー。
日本の派遣はこういう若者で成り立っているのだろうか。だとしたら彼らの時間はとてももったいない。
自分自身もそういうタイプの若者だった。大学という受け皿に入っていたのでその時間は無為にならなかっただけだ。
この映画に出てくるような若者の10年後の姿が「フツーの仕事がしたい」だ。
派遣のような仕事をつづけて世間をしらず、まともな「普通」をしらず、体力だけで稼げる時期をつぶしてしまう。
主演・監督の岩渕さんはおもしろいキャラだからしばらくは自分をコンテンツ化して生きていけるだろう。本も出すらしいし。
岩渕さんには行動力があり、映像編集の技術がある。しかし岩渕さんのような才能も無くて同じような生き方をしている多くの派遣の若者に出口はない。
この映画をつくったこと自体にも岩渕さんは受け身な感じ。
雨宮さんに日研総業→キャノンの派遣は美味しいネタだよ。とにかく撮りなよと言われて撮ったみたいだし。
田舎から出てきた無知な若者が都会でこき使われるという構図は昔からかわっていないのだなと思った。
沢木耕太郎の「地の漂流者たち」「人の砂漠」などを思い出した。これらは70年代の話。
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