「ZAIM」&「創造空間9001」
横浜の「旧関東財務局」の建物を利用したアートスペース「ZAIM」が3月末で閉館になる。
閉館になる前に1度は行ってみたいと思っていたところ、「ZAIM」と、やはり3月末で閉館になる「創造空間9001」を合わせて巡るツアーを教えてもらったので参加してきた。
ZAIM
http://za-im.jp/php/
創造空間9001
http://www.9001.tv/index.shtml
「創造空間9001」に集合。「創造空間9001」は旧東急桜木町駅の建物で、ここをアーティストの活動拠点として使っていたそうだ。
ここでまず横浜市の整備課(?)の方のお話を聞いた。
桜木町の景観の整備についての話で、とくに「壁画」についてのお話がおもしろかったのでここに書いておく。
桜木町のとある場所に長年「壁画」がかかれている場所があったそうだ。いつ頃からか誰かが勝手に壁に絵を描きはじめ、つぎつぎに絵を描く人が増えていった。もちろん勝手に描かれた絵なので折をみて塗られて消されるのだが、また描かれる。その壁はなんとなく「壁画ゾーン」のように認知されていった。
90年代くらいから「壁画」にかかれる絵は「グラフィティ」と呼ばれるものが多くなった。「グラフィティ」はアメリカのギャングカルチャーから発したスタイルの絵で、日本でも渋谷や原宿など若者の多い繁華街の壁でよく見られる。
グラフィティを描く人たちの間には彼らの間でのルールがある。それは「自分よりもうまいと認めた絵の上には描かない」というものだ。このルールによってうまい絵が壁に残されていく。
あるとき、横浜市はこの壁画ゾーンの美化制作として何人かの作家に依頼してこの壁一面に絵を描いてもらったそうだ。当然それまでそこに描いてあったグラフィティは上から塗りつぶされた。
グラフィティ描き達は怒り、新しい絵の上にはあっという間に怒りのメッセージが書き込まれた。「俺たちの聖地を汚した」「やられたらやりかえすからな」。彼らは彼らのルールに則って報復したのだ。
その後、横浜市はこの経験をふまえて美化制作をやり直した。今度は市が作家を指定するのではなく、幅広く公募した。公募の結果、選ばれた作家の中にはグラフィティ描きの間で人気の作家なども含まれた。出来上がった壁画の中には風神雷神がスプレーとローラーを持っている絵や、高度な技術のグラフィティアートなどもあった。スライドで写真を見せてもらったけどかっこよかった。この方法はうまくいき、壁画は数年間荒らされる事無く保たれたそうだ。
横浜市はこうした過去の経緯をふまえて、ZAIMなどのアート政策を行っているらしい。
創造空間9001の見学。
創造空間9001 posted by (C)kanpan
「定期券売り場」の文字が残っている。
創造空間9001 posted by (C)kanpan
廃線になった構内に入るための入り口。桜型に切り抜いてある。中も桜色でライトアップ。
創造空間9001 posted by (C)kanpan
廃線跡。これから工事して遊歩道にするらしい。
続いてZAIMの見学。
ZAIM posted by (C)kanpan
ZAIMの主。段ボールの恐竜。この段ボールアートの展示期間は2週間で、展示開始時はまず骨組みだけを置いておき、毎日その場で制作し、最終日までに仕上げるという、制作パフォーマンスまで含めたアート作品。
ZAIM posted by (C)kanpan
壊れた壁をアートで補修。
ZAIM posted by (C)kanpan
ZAIM posted by (C)kanpan
ZAIM posted by (C)kanpan
アーティストさん達のお部屋を見せていただいた。写真撮影もOKしてくれた。
ZAIM 元独房 posted by (C)kanpan
地下の元独房。普段は見られないらしい。今回はツアーなので特別に見られた。
ZAIMの建物を終戦直後に米軍に接収され、その間地下室は独房として使われていたそうだ。
ここは撮影によく使われるそうだ。撮影をする人たちは「セットでは作れない雰囲気(ヨゴレ)がある」といってここを気に入っているらしい。
ある元独房の部屋を見せてもらったら、部屋の隅に塩があった。
hayashih「四隅の塩は?」
案内人「映るんです」
hayashih「え? (^^;;」
案内人「映るんですよ(^-^)」
hayashih 「((((;゜Д゜)))」