すらいむがあらわれた

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アマゾンの秘密

アマゾンジャパンに勤めた人が書いた、日本進出当時のAmazonの内部事情についての本。
Amazonの社風やシステムについていろいろ書かれていておもしろいです。

アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか

アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか

感想です。

  • アマゾンの日本進出は極秘に行われたが、出版社は警戒こそしたものの敵対的ではなかった

アマゾンは再販制度など日本固有の商慣習を守るというスタンスだったのだそうです。私はてっきり再販制度撤廃をねらって日本に進出してきたものだとばかり思っていました。
出版社の人たちはアマゾンが既存の商習慣を破壊する事を心配していたというよりは、むしろアマゾンが矛盾した業界の習慣に風穴をあけてくれるのではと期待していたようです。これには筆者の松本さんのほうが驚いたそうです。

  • ABテストによるとカスタマーレビューには1万円の価値あり

ABテストはコンテンツの効果を評価するために一定の確立で別々のコンテンツをユーザに見せて反応を確かめるというもの。
カスタマーレビューのABテストでレビューのないページとレビューのあるページでの商品購入率を調べたところレビューありのサイトの購入率のほうがはるかに多い。Amazonのレポートではカスタマーレビューには一万円程度の価値があるとされていた。ただし書籍についてはレビューの効果が大きいが音楽CDではそれほどではなかったそうです。
これは自分がAmazonで買い物をするときにも当てはまります。この本どうかな?と見に行って、レビューが1つもないと「やっぱやめ。」ということがけっこうあります。

  • Amazonの商品のおすすめは購買データにのみよるもの

Amazonのおすすめ商品はそのユーザの年齢や職業などの情報にいっさい関係なく、Amazonの購買データのこの商品を買った別の客が何を買ったかという情報によってのみ表示しているのだそうです。

ああ、なるほどそれでPerlの本を買うとつぎつぎにオライリーPerl本を紹介されるのね。
個人情報でなく購買データでだけやっている、という点には好感を持ちました。私の年齢だとフリーメールの広告とかでやたら結婚紹介所の広告がでてうざいので個人情報を15歳とか70歳に改ざんしたりするのですが、そういう心配はないってことですね。ちょっと安心。