すらいむがあらわれた

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SEの処世術

こことか
http://www.mars.dti.ne.jp/~hirok/xp/col/027.html
こことか
http://d.hatena.ne.jp/yamaza/20040726#p3
であまりにもけなされていて余計に興味がわいてしまった以下の本

SEの処世術 (新書y)

SEの処世術 (新書y)


買って読んでみました。
確かにダメ本。

しかも上記のようなアジャイル系人気サイトがわざわざけなしてあげるほどの内容はない。

まず、文章が全体的にダメ。〜ではない。〜であってはならない。を多発していて、じゃあ何であるの?と思って読み進んで行くと、〜と筆者は思うのである。などとごまかされていて、結局何が言いたいんだかわからない。
「文章力はSEにとって基本能力である」などという項目もあり

わたしは、ビジネス文書にも叙情は必要だと考えている。

だの、文章上達のために

文芸書を読んでほしいのだ。それも、明治から昭和初期に至る近代文学の小説や随筆である。

などと書いていて、基本的に賛成だが、この著者に限っては叙情だの文学だのと言う前にテクニカルライティングを勉強し直してこい、と言いたい。本当になんでこの程度の文章でライターができて本まで出せるのか疑問だよ。
この本を読んでいて、あ、この著者は文系出身かな?と思ったのですが、案の定外国語大学の英文科卒でした。
文学部系の下手なほうの文章の見本のような気がした。
あくまで私の偏見ですが大学の文学部系の学部(外国語専攻も含む)では文章の書き方というものをきちんと授業で教えていないことが多いんではないかと思っているのです。
教員は文学部に入ってくるくらいなら文章の書き方くらいは身につけていて当然と思っていて、教えるのをさぼっているんでしょう。
理系や社会学系ではテクニカルライティングができないとレポートや論文がモノにならないので、きっちり教えます。

さてようやく本題のSE論についてなのですが、一言でいえば会社に依存し過ぎ!
上司にゴマをすれだの、ついていく上司をまちがえるな、などは出世は上司次第だというずいぶん昔の価値観そのままです。いまでも出世は上司次第のところは多々ありますが、部署なんて組織変更で変わるし、上司だって急な人事で変わるかもしれないのです。優秀な上司ならなおさら。
「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)はするな、とも書いています。理由は自分で判断する習慣が身に付かないから。
自分で判断することと、報告・連絡・相談をきちんとする事は全然別ですよ。
それに、いまどきのSIerやソフトウェア開発会社で上司にトラブルの報告をしたところで、自分で解決できそうな(場合によっては解決できるか微妙な線の)トラブルは「お前がやれ!」って返ってきますよ。そんなに人手は余ってませんって。
自分の生活ペースを崩してしまうような残業や休出を断るのは自己管理として当然です。会社だって個人のプライベートの保証なんてできないんですから。昔は大会社は社宅があり、結婚も事務の女の子と、自宅のローンも会社から借りる、などプライベートまで会社持ちだったんでしょうが、SIerやソフト開発の中小企業には関係ない話です。
著者のプロフィールを見るとSEといっても富士銀行の社員だったそうで、なるほどSIerやソフト開発会社とかけ離れているわけです。