すらいむがあらわれた

こまんど >  たたかう  にげる

携帯電話開発の現状を読んで

下のエントリで紹介した「携帯電話開発の現状」で、トラックバックや他のサイトで書かれている感想などをいろいろ読んでみたけど、IT業界の人によると多少の誇張はあるもののこういう状況は実際にあるらしい。
大量のスパゲッティコード、仕様がすぐ変わる、変更した仕様が行き渡らない、現場の意見が上に伝わらない、開発マシンが古い、あたりは実際にあるだろうなと思う。
修正前のコード10万行をコメントで全部残すっていうのはちょっと眉唾
スキンヘッド+サングラスのフリーターとかそいつらを管理するための体育会系社員とか、遅刻したら腹筋腕立てマラソンっていうのは作り話だよねぇ…。


携帯の開発現場の話は初めて知ったんだけど、私の周りの話では銀行系のソフト開発が同じように激務だと聞いています。
幸い、私の仕事場はそんな状態はありません。これは上司、先輩、そして経営陣の努力のおかげなんだろう。


プログラマの仕事は激務だというけれど、それでも正社員として雇ってもらえて、保険にいれてもらえて、ボーナスがある(例の軍曹はすごく減らされているらしいけど)就職先がたくさんあるのはいいことだと思ってしまいます。
私の勤務先にここ数年はいった新入社員は、私も含めてほとんど情報工学情報科学とは関係のない学科の出身です。専攻した分野に関係する会社に就職したかったけれど、正社員の募集は少なく、派遣社員や悪くすればバイト同然の待遇の就職先しかないのです。

かえってITに詳しい人ほど、業界の激務をよく知っているのでSE(orプログラマ)にはなりたがらないですね。
知り合いに大学で情報系を出て、基本情報処理の資格もあっさりとれた人がいるんですが、彼は「絶対にSEにはなりたくない」といって公務員試験の勉強をしていました。
私の弟は専攻は化学系でしたが自作パソコンを組み立てるのがうまくてハード関係は私よりずっと詳しいのですが、これまた「絶対にSEはいやだ」といいます。現在ニート。身近で「携帯電話開発の現状」のような悲惨な目に会っている人を見ているので、IT関係への就職をさけるみたいです。
で、実際にIT関係の、それもプログラム作成の現場に来る人はいままでプログラムなんか書いたことない、PCもあけたことない、という人ばかりになります。理系のひとはまだいい、機械系や化学系でも自分たちが実験で使う機械のなかでプログラムが動いているとことは知っている。文系の人の多くにとってはインターネットもPCもブラックボックスなんです。
こういう人がとにかく正社員になるためにIT業界の下層の兵隊になる訳で、そこには教育体制なんてないから場当たり的に仕事をこなすだけで技術は全然身に付かない、業務状態の改善はできない、ということになるわけで、プログラム開発現場の激務って新卒の採用にも悪循環を及ぼしているなあと思うのでした。


もっともそのおかげで私はプログラマとしてご飯が食べられているわけですが。
それにしても「携帯電話開発の現状」のような現場に当たってしまったら嫌だなあ…。